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散歩

鶴川の「武相荘」と白洲次郎のプリンシプル

白洲夫妻が住んだ鶴川「武相荘」への行き方

散歩|鶴川の「武相荘」と白洲次郎のプリンシプルの画像

マッカーサーを叱ったとされ、かっこいい名言を残した「白洲次郎」。彼が住んだ武相荘を散歩しました。

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白洲次郎とは?

▽白洲次郎 - Wikipedia 政治家・実業家。連合国軍占領下の日本で吉田茂の側近として活躍し、連合国軍最高司令官総司令部と渡り合う。貿易庁長官や東北電力会長を歴任。

白洲次郎は、職業で言えば「政治家」であり「実業家」なのですが、それよりもその生き方が彼を強く表しています。

日本で初めてジーンズを履いた男

戦後GHQ総司令官マッカーサーを叱った男

紳士道を追求しジェントルマンだった男

このような逸話が残っていますが、そんな彼が住んだのが鶴川にある武相荘。

武相荘

英国仕込みのカントリー・ジェントルマンを実践するために、白洲次郎・正子夫妻が農作業をしながら住んだ田舎暮らしの場です。

晩年まで暮らした住居が今も残されていて、一般公開もされているのです。

鶴川駅から武相荘への行き方

武相荘があるのは東京都町田市。

最寄り駅は小田急線鶴川駅です。

武相荘へのアクセス地図

武相荘の地図

鶴川駅を北口側へ出て、駅前通りを右側へ。次の交差点を左折してしばらく歩くと看板があるので、その小道を入っていきます。

武相荘の看板

歩いて15分ほどの距離なのですが、緑地も多いこのエリアはゆったりとした気分で散歩することが出来ますよ。

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武相荘を散歩する

さて、そんな武相荘は昔の農家を買い取って、それを白洲次郎自らが住居へと改築していったのです。

武相荘へと入る

ミュージアムとして公開されている母屋を中心にいくつかの建物が点在していて、入り口の所で入場料を払います。

武相荘

入場料は、現在は1,050円(税込)となっています。

中に入ってみると日本の古き良き農家の雰囲気がそのまま残っています。

武相荘

それこそ白洲夫妻が手に入れた当初は荒れ放題の建物だったようで、天井からは雨水が漏れ、床板は踏み抜くといった具合だったようです。

いつの時代にも田舎暮らしは憧れるものですが、それを実際に実行するのはなかなか大変なものですね。

しかし、次郎と正子はリノベーションにリノベーションを重ね、自分たちの住まいへと整えていったのです。

まさにこれこそが二人のライフスタイルなのでした。

雪上がりの武相荘

武相荘の門

この日は東京に久しぶりの大雪が降り積もった後でございまして、都心から離れた武相荘も雪化粧の風景でした。

雪の武相荘

雪上がりの晴天の日で、雪に反射した陽の光がとても眩しかった。

武相荘

母屋の分厚い茅葺屋根の上にも雪は降り積もっていて、そこからポタポタと雪解けの水が落ちていました。

武相荘

ミュージアムの入り口は昔ながらの引き戸で、ガラガラと開けて中に入る。そこに現れるはずの農家の土間は、タイル敷きのモダンな洋間に改装されていて、床暖房が優しい暖かさで迎えてくれました。

内部は撮影禁止だったですが、そこには二人が暮らした空気がそのまま残されていて、囲炉裏がある居室に、書物で溢れる書斎、寝室として使われた奥座敷がありました。

白洲夫妻のライフスタイル

白洲次郎と武相荘

次郎はこの武相荘のことを

「無駄のある家」

と呼んでいたそうです。

母屋の4つの部屋は田の字型となっているんですが、それらはその時々の家族形態やライフスタイルで、自由に部屋の使用目的を変える事が出来ました。今残されている部屋は二人の晩年に使われていたスタイルなのですが、それらはある時は子供部屋だったり、応接間だったりとその時々に合わせて変化していったそうです。

綿密な計画を立てて、設計してみた所で、住んでみれば何かと不自由なことが出て来る。さりとてあまり便利に、ぬけ目なく作りすぎても、人間が建築に左右されることになり、生まれつきだらしのない私は、そういう窮屈な生活が嫌いなのである。

俗にいわれるように、田の字に作ってある農家は、その点都合がいい。いくらでも自由がきくし、いじくり廻せる。ひと口にいえば、自然の野山のように、無駄が多いのである。

出典:「無駄のある家」(『縁あって』 | 白洲 正子)

「無駄」の部分を「あそび」とでも言い換えると分かりやすいと思うのですが、キチキチに造り込まないで「あそび」の部分があるからこそ自由自在にいじることが出来るのです。

一方で、正子さんは骨董に造形が深く、この家には名人級の品物が多くあります。

武相荘の骨董

しかし、それらを棚の奥に眠らせておかずに、しっかりと日用品として使い込むのも生活のひとつの方針のようです。

白洲正子の美学

展示してある小物は、センスが良く、上質なものです。家は、夫妻の美意識に溢れていていました。

これらのライフスタイルの根底にあるのは、やはり本質的な部分をとても大切にしているところだと思います。

本質的な部分だけを追い求めることで、無駄な部分は削ぎ落とされます。

「無駄のある家」だからこそ、結果として、大事なものだけが残ったシンプルで無駄のないライフスタイルへとなるのです。

白洲次郎のプリンシプル

これは白洲次郎の生き方そのものです。

白洲次郎

プリンシプルとは?

1 原理。原則。根本。
2 主義。信条。

白洲次郎は一生涯、プリンシプルに従って生きていました。

それは占領下においてマッカーサーと交渉した時も、その後の憲法制定の時や実業界において活躍したときも、おそらくのプリンシプル(原理・原則)に従って行動したのだと思います。

私自身、そのプリンシプルがどのようなものかはまだ理解することは出来ていないのですが、もし、この武相荘に来ればその一端くらいは掴めるかもしれません。

白洲次郎の自動車

ガレージには次郎が80歳まで乗りこなしていたポルシェ911が飾られていました。

情報が氾濫し、何が正しいのかわかりづらい今の時代だからこそ、プリンシプルを追い求めるのが大切なんじゃないかと、改めて思いました。

武相荘へのアクセス

武相荘の開館時間

10時~17時(入館は16時半まで)

武相荘の休館日

月曜日(祝日・振替休日は開館)
夏季・冬季休館あり

なお、武相荘にはカフェやレストランもあります。

ぜひ、散歩のついでに訪れてみてはいかがでしょうか。



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