赤羽は下町の居酒屋街として有名ですが実は散歩が楽しい街。複雑な地形で迷路のような路地を歩いてみました。
東京の北の入り口とも言える赤羽。
駅前のふざけた七福神像には微妙感が漂う。
いわゆる下町の雰囲気が溢れ、都内でも有数の飲み屋街は呑兵衛にはたまらないお店が並んでます。
そして、埼玉県とを隔てる荒川が流れていて東京の北の端っこである赤羽。
街は「武蔵野台地」の端っこでもあります。
赤羽を歩くと地形が複雑で、路地が入り組んでいることに驚くことでしょう。
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地形図で見ると荒川の低地と、武蔵野台地の高台との狭間にあるような場所であり、赤羽を歩くとその地形の複雑さに驚くことでしょう。
まずは高台である赤羽駅の西側へ向かいましょう。
赤羽という街は地形の底の谷間にあるような感じであり、赤羽駅のすぐ裏に行くと急な階段と立体的な地形とが出てくるのです。
高台エリアの大部分は赤羽台団地をはじめとする広大な団地街となっています。これは戦後に東京23区にはじめて造られた大規模団地でした。
日本の高度成長期を象徴するような文化的遺産であり、集合住宅の移り変わりを見れる場所なのです。
一方でこれらのエリアは戦前には旧日本軍の軍用地。
当時の軍用路線跡に造られた赤羽緑道公園
今でもじっくりと歩いてみると当時の遺構を見つけられるので、当時の鉄道跡などを辿ってみるという楽しみもあります。
当時の姿を思い浮かべながら歩くと脈々と続いている街の積み重ねを感じます。軍用地として使われた過去と高度成長期の巨大団地。このような土地の変化を見ることが出来るでしょう。
さて、さらに面白いのが十条方面にかけてです。
この一帯は細い路地が入り組んだ密集した住宅街となっていて、本当に迷路のような街です。
路地は入り組み、階段と坂で上がったり下がったりとを繰り返し、本当に今居る場所が分からなくなります。
とにかく坂道と階段が多い街なので、しっかりと歩く心意気でいた方が良いでしょう。
上がったと思ったらまた下がったりと。
赤羽を描いた清野とおるさんの「東京都北区赤羽」という漫画のエピソードで、赤羽に引っ越してきた作者が街を散歩してたら迷ってしまい家に帰れなくなるのですが、本当にそのとおりです。
スマートフォンの地図とGPSは必須であり、これがなかったら永遠に迷い続けてしまうような感じがします。
正直これと言った目的地は無いのですが、路地に迷い込みそこで見つけた風景とたまたま見つけたお店を楽しむのがここの散歩の正しいスタイルだと思います。
たまたま路地で見つけた駄菓子屋さん。次に訪れた時には見つけられませんでした
昔からのお寺も多く、太田道灌が築いたとされる稲付城跡の静勝寺。
境内には人に慣れた猫が。
うまく進んでいくと、民家の間に急な上り階段が現れます。
十条に向うにはこの階段をずんずんと登っていきましょう。
けっこう急な階段で、だいぶ高低差があるだなと思いました。
手すりはちょっと心もとない。
上まで登りきると夕陽に照らされた赤羽を見渡すことが出来ました。
この斜面にぎっしりと張り付いたような家々。
入り組んだ路地を歩いていると、まるで地中海のマルタ島でも歩いているかのような錯覚に陥ります。
知らない路地をずんずんと進むのがとにかく楽しい。
ここまで来ると十条までもう少しです。
清水坂公園という斜面を活かした広い公園があります。ダイナミックなアスレチックもあり、子供にとっては思いっきり遊べる場所です。
この付近には同潤会十条住宅地が残されています。
原宿表参道にあった同潤会アパートが有名。戦前に造られた歴史的なものでまさに住宅の文化遺産です
今の感覚だと狭小な長屋型の住宅ですが、当時としては立派な住宅に安い相場で住めた上に地域コミュニティ・街区の周遊まで考えられた先進的なものとされています。
先程の赤羽台団地といいまさに都市住宅の歴史。
環七通りを渡ると、十条商店街の入り口です。
とても長い商店街で庶民的なお店が並び、惣菜屋の食べ歩きも楽しめる活気ある通り。ここで腹ごしらえや散歩の後の一杯を楽しんでも良いでしょう。
赤羽から十条へと歩くと、庶民の都市生活の移り変わりを見れました。
赤羽は、東京都の北端だけでなく、山の手と呼ばれる高台地形の北端でもあるのかどうか、起伏に富んだ地形で面白かったです。
それぞれの住宅が密集しているので、まるで迷路のようで、一度迷い込むとなかなか出てくるのが大変なので地図を片手に持つのがオススメですが、一回迷い込んでぶらりしてみるのもどうでしょうか。
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