荒行道場が知られる下総中山の法華経寺。日蓮宗の大本山でもある大きなお寺を散歩してきました。
下総中山にある法華経寺は荒行で有名です。
荒行とは、自分を痛めに痛めつけ、その苦しみに耐えることである種の真理に辿り着き、それに打ち勝った者だけが秘法を授かるという日蓮宗の修行法です。
ちょっと、修行内容を見てみましょう。
▽日蓮宗の荒行とは?
・11月1日より翌年の2月10日まで
(つまり真冬の100日間)
・午前2時に起床。毎日3時間睡眠
・午前3時からの1日7回の寒水行
・一日中お経を唱え、ひたすら写経
・食事は梅干し一個とお粥だけ
日蓮宗 大荒行堂
これ、、、ヤバい。
しかし、このような荒行を続けているのが法華経寺です。
法華経寺とはどんなお寺なのか?荒行道場として知られているこのお寺を散歩してきました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
法華経寺へは京成線の中山駅。あるいはJR下総中山駅からでも歩けます。
途中の商店街は門前町の雰囲気で、「南無妙法蓮華経」の上りが立っています。
日蓮宗は「南無妙法蓮華経」を唱えることを何よりも重視している宗派です。この言葉こそがまさに日蓮宗と言えるでしょう。
しばらく歩くと現れる法華経寺の黒門。
法華経寺へとずんずんと近付いています。
さて、このような法華経寺の門前町なのですが、雰囲気はだいぶ静かです。
超有名な門前町だからじゃないのかもしれませんが、人混みでざわつくということもなく、静かな街並みでした。
むノスタルジックな感じさえする街並みで、落ち着いた気持ちで歩ける。
一方で、この付近は千葉の歴史の主要地点のひとつでもあり、歴史や法華経寺に関する旧跡も多く、歴史の視点から街を巡るのも楽しそうです。
門前町を抜けると法華経寺の山門です。
山号は「正中山」であり、日蓮宗の大本山。
日蓮宗の始祖である日蓮が鎌倉幕府などから迫害を受ける中、この地の豪族である千葉氏配下の富木常忍や太田乗明らが保護し檀家となり、その後に自邸を寺としたことに始まったとされています。
日蓮宗の寺院の中でも歴史が古く、創建が1260年とされています。
長い歴史持つ由緒正しき寺院なのです。
境内も広く、さまざまな寺院建築が建っている。
赤く塗られた五重塔。
重要文化財である祖師堂。
この建物は江戸時代中期のもの。
祖師と言えばその宗派の開祖のことを指すので、日蓮が祀られている。
大型の日蓮宗型仏堂は関東では貴重な建物です。
とりあえず、大きい。水が入ってます。
お参りしてきました。
境内は広く、色んな建物が渡り廊下でつながっている。
本堂です。鬼子母神も祀られている。
古い歴史がある法華経寺には歴史ある建物がたくさんあります。
しかしそれ以上にすごいのが、日蓮に関わる重要な書物が所蔵されているところです。
法華経寺には日蓮が書いた「観心本尊抄」と「立正安国論」という2つの国宝が収められているのです。
▽立正安国論 - Wikipedia 1260年に日蓮が鎌倉幕府に提出した文書で、政治と宗教のあるべき姿を書いたもの。これが厳しい論調であったため幕府批判とされ、後の迫害へとつながった。
▽観心本尊抄 - Wikipedia 1273年の日蓮の佐渡流罪中、法華経の教学的な内容を書いたもので、日蓮宗の根本聖典とされている。
この2つは日蓮の教えの根本的なものであり、これらが収められている法華経寺はやっぱすごいなと思うのです。
日蓮宗って、仏教の中でも他の宗派とちょっと趣が異なるというか、仏教らしくないというか、、そんなイメージを私の中では持っているのです。
あくまで私の中のイメージですが。
宗教の形が、仏教よりもキリスト教やイスラム教といったアブラハムの宗教に近いじゃないかなと思うのです。
その理由を挙げてみると
・開祖たる日蓮にスポットが当たっていて、「日蓮宗」という宗派名にもなっている。
・日蓮が預言者的な立場。立正安国論は後のモンゴル元寇を言い当てていたため、予言書的な性格があるとされている。
・仏様よりも法華経という経典が中心
・日蓮四大法難なんて、キリスト教の受難みたい
などなど
他の仏教宗派に比べても、能動的な性格が強い感じがするんですよね。
だからこそ色んな分派に分かれていたり、熱心な宗教的活動が行われていたりするんじゃないかと。そう言えば、現代の新興宗教も元を辿ると日蓮宗の系統から派生しているのが多い気がする。
いずれにしても日蓮の教えが大切であり、その原点的な書物が存在している法華経寺だからこそ、それを今に伝える荒行道場があるのかなと思いました。
さて、このような法華経寺ですが、境内の中にはカフェがあったりもしました。
荒行修行というとすごくハードな感じがしますが、境内の中はとても静かで落ち着いている。そんな所にあるカフェなのです。
この日は行かなかったのですが、後で食べログを見てみると本日のパスタがとても美味しそうだった。
休んでいたら猫がやってきた。
法華経寺は地域猫がいることでも有名で、カフェの周りには猫が何匹も寝転んでいました。
猫はいつでも穏やかで、ここが荒行修行の場所だとは忘れてしまうほどでした。
静かな空気の中で、日蓮の教えに触れることが出来る。法華経寺はそんなお寺でした。
JR総武線の下総中山駅からも行けるけど、京成線の中山駅の方が近いです。
街の商店街が門前町なので、参拝と散歩を楽しみながら向かえますよ。
スポンサーリンク