楽天経済圏とは何なのか?大切なのは楽天の戦略と強みの「楽天ポイント」です。順番を決めて効率的に使いましょう。
楽天は日本を代表する企業です。
本社があるのは二子玉川「楽天クリムゾンハウス」
楽天市場を中心に、楽天トラベルに楽天ブックス。楽天Mobileに楽天カード、楽天銀行といった金融事業から野球にサッカーチームまで。インターネットの枠を超えて、幅広くサービスを展開する企業です。
その巨大な事業範囲は「経済圏」とも称されています。
▽経済圏とは? 経済活動が一定の独立性をもって営まれる地理的範囲 三省堂 大辞林
通常は国や貿易協定に使われる言葉ですが、楽天の巨大な経済規模はそれに模して「楽天経済圏」と呼ばれています。
▽楽天経済圏の規模
流通総額 10.7兆円
会員数 11億人
展開国 190国と地域
国内会員数 9千万人
展開数 70サービス
そんな楽天経済圏の強みが「楽天ポイント」。
さまざまなサービスで貯めて、使えるのです。
楽天経済圏において通貨のように使える「楽天ポイント」こそが楽天のキモであり、これがあるからこそ多くの人が楽天のサービスを利用する要因なのです。
楽天ポイントは実質的なお金。
1楽天ポイント=1円
例えば楽天市場において1,000円の買い物をすると最低でも1%の楽天ポイント(10円分)が付きます。この10ポイントはまた買い物やサービスを利用する時に10円分として使うことが出来るのです。
そして、楽天ポイントが使える楽天経済圏はとても広いのです。
まず楽天系のサービスです。
ここには他企業と連携した「楽天西友ネットスーパー」や「楽天ビックカメラ」あるいは「楽天ペイSuica」といったサービスもあります。
さらにキャッシュレス決済の楽天Payや楽天ポイントカードを使えば、街中のコンビニエンスストアやスーパーや飲食店でも貯めたり使えたりが出来ます。
このように楽天経済圏において楽天ポイントは「1ポイント=1円」として使える通貨であり、楽天経済圏だけで生きていくことも可能なのです。
このようにポイントシステムは実質的な値引きです。楽天以外にもYahooがすすめるTポイントやドコモによるdポイントなど色々ありますが、楽天ポイントはそれらの中で最も使いやすいてお得だと思います。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
さらに楽天ポイントには「SPU」というシステムがあります。
楽天のCMでよく見ますね
これはSuperPointUpProgramのことであり「楽天ポイント」を効率的に貯めるのに大切なものなのです。
SPUとは楽天ポイントの還元率が爆アップする仕組みです。
本来ならば還元率1%なので100円につき1ポイントが貯まるのですが、SPUを使えば最大の還元率がなんと16%になるのです。
これは100円につき16ポイント、すなわち16円が貯まるようになります。
これはすごいことです。例えば月に10万円を使えば1万6千円が貯まることになりますし、年に100万円を使えば16万円が貯まることになります。
他社のポイントサービスと比較してもこれほど還元率が高いシステムはなく、同じ買い物でも楽天市場で買うと16%の値下げが自動的に行われることになるので、これこそが楽天を使うことの大きなメリットとなります。
では、楽天経済圏の始め方を紹介します。
まずは楽天の会員登録です。
楽天経済圏が大変便利なのは、一つのIDがあればほぼ全てのサービスで使えるところです。楽天市場も楽天トラベルも楽天カードも楽天モバイルも一つの楽天会員IDでログイン出来ます。
そしてそれら使っているサービスごとの楽天ポイントが自動的に貯まる仕組みになっているのです。(※サービスによっては個別IDだったり、自分のIDに楽天ポイントを紐付ける必要があります)。
あとはひたすら楽天のサービスを利用するだけです。
そしてその時の支払いは「楽天カード」にしましょう。
この楽天カードこそが、楽天経済圏を最大限に利用するコツです。
楽天カードとはその名のとおり楽天が発行するクレジットカード。
通常の楽天カードに上位の楽天ゴールドカード。さらに上位の楽天プレミアムカードなどがありますが、いずれのカードにしても楽天サービスの支払いを行うと、その分楽天ポイントが多く付くのです。
通常だと1%の還元率が、楽天カードで支払うと+2%の合計3%の還元率になりますし、楽天ゴールドカードと楽天プレミアムカードの支払いだとさらに+2%の追加となり合計5%の還元率となります。
さらに楽天サービス以外の支払いでも、これらのカードを使うと楽天ポイント1%が付く仕組みとなっています。
楽天経済圏においては楽天ポイントを持つことは必須なので、まだ持ってない人は申し込むのをおすすめします。
つづいてリアルでの楽天ポイントを貯め方です。
その時に大切なのが「楽天Pay」と「楽天ポイントカード」です。
楽天Payとはスマホ決済サービスであり、コンビニや飲食店などでの支払いに使えます。楽天ポイントカードとはいわゆるポイントカードで、提携店舗で見せると楽天ポイントが貯まります。
この2つを上手く使うことがリアルで楽天ポイントを貯めるコツです。
楽天Payアプリがあれば、店頭で使う度に楽天ポイントを貯めることが出来ます。
この時のコツとしては、支払い元を予め楽天カードでチャージしておいた楽天キャッシュ(還元率1.5%)にしておくことです。
楽天Payにはいくつかの支払い方法があるのですが、この方法が最も還元率が高くなる方法で日常的に利用額の1.5%分が楽天ポイントとして貯めることが出来ます。
楽天Payは大手コンビニ各社をはじめスーパーマーケットや飲食店、ドラックストアなど極めて多くの店舗で使うことが出来ます。日常的にちょっと立ち寄るお店での支払いは楽天Payとすると良いでしょう。
さらにおすすめなのが「楽天Payが使える」&「楽天ポイントカードが使える」お店を日常的に使うことです。
例えばファミリーマートだと支払いの前に楽天ポイントカードを見せることで、200円につき1ポイントが楽天Payでの支払いポイントの他に貯まります。つまり還元率が2%となります。
このリアルにおいては楽天ポイントが貯まりやすいお店を利用することが、楽天経済圏を生きるコツです。コンビニエンスストアだとファミリーマートだし、ガソリンスタンドだとENEOSや出光といった選択肢になります。日常的に使うお店と支払い方法を習慣付けることが大切です。
そしてやはり楽天経済圏を攻略するには「SPU」です。
SPUのコツは①SPUの還元率を出来るだけ高める。その上で②楽天のサービスで買い物をすることです。
SPUの上限は16倍です。楽天サービスをいろいろと利用することでSPU最大還元率に出来るのですが、これはまさに楽天経済圏の住人となることを意味してます。
サービスと条件 | 倍率 |
---|---|
楽天カード | 2倍 |
楽天ゴールドカード | さらに2倍 |
楽天保険にし、楽天カードで支払う | 1倍 |
楽天銀行にし、楽天カードの引落し先とする | 1倍 |
楽天証券で月500円のポイント投資 | 1倍 |
楽天モバイルにする | 1倍 |
楽天ひかりにする | 1倍 |
楽天でんきにする | 1倍 |
楽天市場はアプリを使う | 0.5倍 |
楽天トラベルで月5千円使う | 1倍 |
楽天ビューティで月3千円以上の予約 | 1倍 |
楽天ファッションで月1回使う | 0.5倍 |
楽天ブックスを月1千円以上使う | 0.5倍 |
楽天koboを月1千円以上使う | 0.5倍 |
NBARakutenかRakutenパ・リーグに加入 | 1倍 |
楽天Pashaで100ポイント獲得する | 0.5倍 |
正直、SPU16倍というのは難しいところがありますが、10倍すなわち還元率10%くらいなら結構簡単にいけます。
ネット上の買い物は「楽天市場」や「楽天ブック」や「楽天ビック」でし、旅行の予約は「楽天トラベル」で行いましょう。美容院の予約は「楽天ビューティー」だしネットスーパーの「楽天西友」も便利です。
ネットでの消費行動を楽天で統一しましょう。
楽天は毎月「5」と「0」が付く日の買い物だとさらに2倍のポイントが付きます。楽天の買い物は5日、10日、15日、20日、25日、30日にしましょう。さらに楽天イーグルスやヴィッセル神戸が勝った日や、楽天スーパーセールといったキャンペーンもあります。
SPUの還元率を出来るだけ高めたら、あとは楽天で買物をすれば利用額に応じてポイントが貯まっていきます。
ただ注意点としては、このSPU還元率が適用されるサービスと適用されないサービスがあるところです。
例えば楽天市場や楽天ビックで家電を買ったり、楽天ふるさと納税や楽天教習所ナビなどを使った場合はSPU還元率に基づく楽天ポイントが付きます。
一方で、楽天トラベルでの予約やフリマアプリのラクマでの買物はSPU還元率が適用されません。
実際に還元される楽天ポイントは利用額が高いほど多くなります。なのでSPU還元率が影響してくるのは、より高額の利用をした時です。家電や家具といった高額商品、ふるさと納税や教習所などはSPU還元率を出来るだけ高くして買い物した方がお得です。
とはいえ旅行の予約をする時には楽天トラベルを使います。
というのもSPUの還元率が適用されなくても楽天カードがあれば2%だし、楽天ゴールドカード以上だと3%の還元率となります。なんだかんだ言って国内宿泊施設登録数第1位で安いホテルを探せますし、金額も大きくなるのでポイントも溜まりやすいのです。
楽天を使う大きなメリットがこの楽天ポイントです。
しかしこの通常1%分のポイントが8倍の8%分のポイントになるということは、その分だけポイント負担がかかりますので、楽天にとったら大きなコストとなるはずです。
広大な楽天経済圏があることは大きな強みであるとともに、それにかかる楽天ポイントのコストは弱みにもなってしまいます。
楽天はなぜこのような超大盤振る舞いをするのでしょうか?
楽天はなぜこのような破格のポイント攻勢をするのでしょうか?
というのも、楽天においては
楽天ポイントこそが事業のポイント
なのです。
「楽天市場だと、もちろん具体的な目的を持ってくるユーザーもいますが、特にこれが欲しいという具体的な目的をもっているわけではなく、楽天スーパーポイント目当てで、何かいいものがないかなと探しにくるユーザーがかなり多いんですね。」
楽天市場はAmazonに押され気味だと言われていますが、物流のシステム化を進めるAmazonに対抗するためには、何か別の訴求点が必要。
ちなみにAmazonのメリットとして「当日お急ぎ便」があります。注文すれば当日中に届くサービスですが、楽天にも「あす楽」として翌日に届く方法や楽天ビックだと東京だと当日に届くサービスもあります。個人的にAmazonのメリットは年々少なくなっていると感じています。
Amazonのメリットと使い方
また、ネットにおいてもリアルにおいても広範囲に広がる楽天経済圏においては、楽天ポイントを通じて消費者は回遊し、それによって消費行動などのマーケティングデータを把握することが出来るのです。
さらに楽天ポイントのもう一つのカラクリが楽天カード。
楽天が発行するクレジットカードなのですが、この楽天カードこそが楽天の秘密です。
楽天と言えばインターネット通販の楽天市場のイメージが強いですが、今やその実体は金融会社。
楽天カードはメガバンク系のカード会社並みのシェア率ですし、楽天銀行の貸出残高は急拡大。金融サービスであるFinTechセグメントは大きな収益となっています。
楽天の2016年度決算よりデータ作成
特に利益額においては顕著です。
※金融サービスを色分け
楽天の2016年度決算よりデータ作成
2016年度の営業利益額を見てみるとFinTechセグメントがインターネットセグメントを上回っています。
FinTechセグメントの一番の稼ぎ頭が「楽天カード」です。
楽天カードのクレジットカード市場でのシェア率を見ると三井住友や三菱といった銀行系の会社と肩を並べています。
日本経済新聞「主要商品・サービスシェア調査」より
この後、楽天カードの市場シェア率は更に伸びて、2017年度4~9月期の取扱高が1位となりました。
クレジットカード事業の売上(リボ払い手数料など)がとても大きいのです。
楽天ポイントの大盤振る舞いも、金融サービスにおける売上(クレジットカードのリボ手数料など)を見込むためであり、大きなコストが掛かったとしてもシェアを伸ばしたいわけです。
現にSPUにおいてもユーザーは楽天カードへと強く誘導されます。
通常貯まるポイント 1%
楽天アプリを使うと +1%
月に一回本を買うと +1%
楽天モバイルを利用 +1%
楽天カードだとで2%
楽天ゴールドカードで+2%
なんと楽天ゴールドカードを持つとポイントが4倍に
楽天経済圏、そして楽天ポイントの還元率の高さは楽天カードの強さがあるから出来ることであり、逆に言えば楽天経済圏と楽天ポイントの広がりの裏には楽天カードという金融事業があるのです。
一方、効率的な買い物ならやはりAmazonです。
東京なら1時間で生鮮食品が届くPrimeNowやお急ぎ便無料のAmazonPrimeの素早い買い物と、電子書籍Kindleなど充実したコンテンツが揃っています。
利益の大部分はクラウド事業のAWS(アマゾンウェブサービス)で稼いでいることや、音声スピーカーのAmazonEcho/Alexaによる近未来的な買い物体験と、やはりAmazonはテクノロジーの会社だと思うのです。
【参考】→Amazonの戦略と近未来の買い物体験
楽天のサービスはとにかく多いのでここでは紹介し切れませんが、あるサービスを利用したいと思ったらそれが楽天(および提携サービス)にないかを探すと良いでしょう。
そして大切なのが楽天カードがあること。
楽天の戦略にハマってしまいそうな感じですが、やはり楽天カードがあると楽天ポイントが圧倒的に貯められますので持っておくことが大切です。
初めてクレジットカードを持つ方についても使いやすいカードであり、ゴールドカードなどの特典も良いものがあります。気を付けることはカードのリボルビング払いによる使い過ぎ。しっかりとカードの知識を身に着けて上手く利用するようにしましょう。
このように広がる楽天経済圏。
Web時代になったことで多くの買い物やサービスがネット上で行われますが、これらにおいて一括して楽天ポイントを貯められることはとても便利です。
また、個人的にはIDやパスワードが楽天のもの一つで済ませられること、そして楽天カードで支払いを行えば毎日の支出を把握出来ることにも利便性を感じました。
楽天ポイントを中心に楽天経済圏はより強いものになりそうです。
スポンサーリンク